研究会「第一回 量子スピン液体研究の新展開」
日時:2016年7月14日(木) 13:10〜15日(金) 16:10
場所:東京大学本郷キャンパス, 工学部6号館, セミナー室A
P. W. Andersonの理論提案以来、40年以上にわたって精力的な研究が続けられてきた量子スピン液体の研究は、A. Kitaevによる可解スピン模型の提案を契機にこの10年ほどの間に実験・理論ともに急速に展開し、物性分野の枠を超えて量子情報や格子量子色力学といった周辺分野に波及するなど、新しい局面を迎えている。こうした変革の時期を捉えて、本研究会では、周辺分野の研究者も交え、量子スピン液体研究の最前線を概観するとともに今後の展開を探る。
7/14(木)のセッション終了後に懇談会を行います(工学部6号館屋上テラス、雨天時セミナー室A、参加費2千円程度の予定)。どなたも大歓迎ですので、皆様ふるってご参加ください。事前申し込みは不要です。
招待講演者(あいうえお順、敬称略)
紙屋佳知(理研)
北川健太郎(東大院理)
鈴木隆史(兵県大工)
高津浩(京大院工)
田中秀数(東工大理)
遠山貴巳(東理大理)
常盤欣文(京大理)
那須譲治(東工大理)
松野丈夫(理研CEMS)
溝口知成(東大理)
森前智行(群大先端科学研究指導者育成ユニット)
山内一宏(佐賀大院工)
山田昌彦(東大物性研)
山本新(東大理)
プログラム(アブストラクト)
7/14(木)
13:10-13:20 opening
13:20-14:00 遠山貴巳(東理大理):密度行列繰り込み群法による拡張されたキタエフ・ハイゼンベルク模型の研究
14:00-14:40 鈴木隆史(兵県大工):蜂の巣格子磁性体の磁気励起と熱力学的性質
14:40-15:00 coffee break
15:00-15:40 田中秀数(東工大理):強いXY型交換相互作用をもつスピン1/2蜂の巣格子磁性体α-RuCl3の磁気特性
15:40-16:20 山内一宏(佐賀大院工):ミュオンスピン回転/緩和法で見たハニカム格子スピン系α-RuCl3の磁気秩序
16:20-16:40 coffee break
16:40-17:20 紙屋佳知(理研):量子スピン液体相・常磁性相・磁気秩序相の有限温度「三態」相図
17:20-18:00 森前智行(群大先端科学研究指導者育成ユニット):トーリックコード、トポロジカル量子計算の基礎と最近の話題
18:30- 懇談会@工学部6号館屋上テラス(雨天時セミナー室A)
7/15(金)
09:00-09:40 常盤欣文(京大理):熱伝導測定による量子スピンアイスの新奇素励起の観測
09:40-10:20 高津浩(京大院工):Tb2Ti2O7のスピン液体とその近くに現れる四極子秩序
10:20-10:40 coffee break
10:40-11:20 那須譲治(東工大理):キタエフ模型の有限温度ダイナミクスと分数励起
11:20-12:00 山本新(東大理):格子QCDと非相対論系への応用
12:00-13:00 lunch
13:00-13:40 北川健太郎(東大院理):NMRで観たIrハニカム酸化物におけるスピン液体的ふるまい
13:40-14:20 溝口知成(東大理):ハイパーかごめ格子をもつイリジウム酸化物における異方的相互作用の効果
14:20-14:40 coffee break
14:40-15:20 松野丈夫(理研CEMS):スピン-軌道物性の新たな舞台:Ir酸化物の薄膜物質設計
15:20-16:00 山田昌彦(東大物性研):有機金属構造体におけるKitaevスピン液体の物質設計
16:00-16:10 closing
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